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ミキシングルームの調音工事 ー その4

この記事も最終回です。前回ですでに調音に関する工事はすべて終わっているので、今回は

配線にまつわる話題です。とは言え元あった機材を元通りの位置に配置して配線にするだけですが(笑)。ですので先に完成形をお披露目。

ジャーン!

以前と比べて、液晶モニターが2つになった以外は機材の配置は変わっていませんが、PCだけは別の場所に設置しました。

             部屋の簡単な見取り図

PCは、押し入れに設置しました。放熱ファンの音を避けて、多少静かになる押し入れに。熱が心配でしたが測定したら許容範囲内でした。PCと接続する機材と距離が離れてしまったので、配線が壁際に汚く配線されるのを避けるために、スパイラルチューブでまとめて部屋の隅に配線しました。電源ケーブルは含まれていません。

なお、機材を部屋に入れる前に、音場測定を行いました。

調音工事後左

調音工事後右

※左の10hz辺りは、測定開始までに部屋を出るのにドアを開け閉めした音が少し入ったと思われる。


なお、工事前はこんな感じでした。

調音工事前左

調音工事前右

30から40hz辺りのピークが増えた代わりに、55, 100, 150, 300hz辺りのピークと120〜130hz辺りのディップは多少改善されました。また、600hz辺りのピークも多少改善してます。実測の状態も以前より左右の差がまぁまぁなくなっています。

実際に音楽を流した音も、残響音がはっきりと聞こえるようになり、各楽器の定位も明瞭になりました。

次に、機材をすべて設置した後の測定結果がこれです。

機材搬入後左

機材搬入後右

概ね機材搬入前と形は変わりませんでした。右の380hz近辺のディップが増えたくらいでしょうか。


配線では大きな問題が発生。PCを遠くに設置したため、卓上のオーディオインターフェイスとの接続に長いThunderbolt 3 ケーブルが必要となったのでOptical Thunderbolt 3 ケーブルを導入したのですが、これがPCとオーディオインターフェイスとの接続には使えないことが判明。オーディオインターフェイスはThunderbolt 2 で、途中に変換アダプタを使っているために接続できなくなったのです。5万円も出したのに…(泣) USBも配線していたので音は出せますが、USBはフィジカルコントローラー専用にし、ミキシングに使う音声ラインは流さないと決めていたので、さてどうしたものか。当面はUSBに接続して急場をしのぐことにしました。ですがいつまでもUSBで音を出すこともできません。

ですが困っていたところにニュースが。Genelec 9320A の日本発売が決まったのです。宮地楽器さんに問い合わせると、8月23日あたりに入荷予定とのこと。これならオーディオインターフェイスはPCの近くに設置し、モニター用信号はフルデジタルでモニターコントローラーに持っていけます。同様にフルデジタルでモニター環境を構築できるGracedesign M905よりは機能は少ないとはいえ、値段は4分の1で私の望む環境が手に入れられるのは大きな魅力です。さらに、Aural IDでヘッドフォンのキャリブレーションもできること、将来的にイマーシブにすぐ対応できるのも魅力です。想定外の出費ですが、ないと困るので予約しました(苦笑)。まぁ、以前使っていたモニターコントローラーはヘッドフォンアンプがアレだったのでそれも改善するからまぁいっかと強引に自分を納得させました(笑)。


様々な失敗や問題点に遭遇しましたが、DIYでほぼ思い通りに自室をを調音できたことは貴重な経験になりました。これからは一層いい音でみなさんに作品をお届けできると思います。

これからもよろしくお願いいたします。

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